2026.07.10 犬や猫のいぼ・できものの治療|局所麻酔で行うCO2レーザー切除とは?
愛犬や愛猫の体にいぼやできものを見つけたとき、「気になるけれど高齢だから麻酔が心配」「小さいからもう少し様子を見てもいいのでは」と悩まれる飼い主様は少なくありません。
特にシニア期の犬や猫では、「取ってあげたい気持ちはあるけれど、全身麻酔には抵抗がある」とご相談を受けることがよくあります。
一方で、いぼやできものは放置しているうちに大きくなったり、擦れて出血したり、表面がただれた状態を繰り返したりする場合があります。その結果、犬や猫が気にして舐め続けたり、日常生活に支障が出たりすることもあります。
そのため、できものの状態や愛犬・愛猫の体調に合わせて、無理のない治療方法を検討することが大切です。
今回は犬や猫のいぼ・できもの治療について、当院が実施しているCO2レーザーによる切除の特徴やメリット、処置の流れ、注意点などを解説します。

■目次
1.犬や猫の「いぼ・できもの」とは?|まずは様子を見るべき?
2.CO2レーザーによるいぼ切除とは?|どんな機械を使うの?
3.CO2レーザー切除のメリット|全身麻酔を避けたい飼い主様へ
4.実際の流れ|診察から処置後まで
5.CO2レーザー治療が向かないケース|事前に知っておきたい注意点
6.まとめ
犬や猫の「いぼ・できもの」とは?|まずは様子を見るべき?
犬や猫の皮膚には、年齢を重ねるにつれていぼのようなできものが現れることがあります。
いぼやできものとは、皮膚や皮下組織に生じるしこりやふくらみの総称です。小さな突起のように見えるものから、皮膚の下に触れるしこりまでさまざまなタイプがあり、その原因も加齢による変化や炎症、感染症、腫瘍など多岐にわたります。
中には加齢に伴う良性のいぼもありますが、実際には炎症を起こしていたり、悪性腫瘍が隠れていたりする場合もあるため注意が必要です。
特に、以下のような変化が見られる場合は、早めに動物病院を受診しましょう。
・出血している
・急に大きくなった
・表面がただれている
・犬や猫が頻繁に気にして舐めている
・イボの周りが腫れている
また、いぼやできものは見た目だけで良性か悪性かを判断することが難しく、「このまま様子を見ていて大丈夫だろうか」「悪いものだったらどうしよう」と不安を感じる飼い主様も少なくありません。
さらに、「高齢だから麻酔が心配」「持病があるので治療できるのだろうか」といったご相談をいただくこともあります。
できものの種類によって治療方法や緊急性は異なるため、まずは診察で状態を確認し、その子に合った治療方法を検討することが大切です。
当院では、できものの状態だけでなく、犬や猫の年齢や持病の有無、全身状態なども総合的に評価したうえで、それぞれに適した治療をご提案しています。
CO2レーザーによるいぼ切除とは?|どんな機械を使うの?
当院では、CO2レーザー「LESAC CO2-25」を使用した、いぼ・できものの切除を行っています。
CO2レーザーは、レーザーの熱エネルギーを利用して組織を蒸散・切除する医療機器です。
「蒸散」とは、レーザーの熱によって病変を少しずつ蒸発させるように取り除く方法です。
一方、「切除」とは、レーザーをメスのように用いて病変を切り離す方法で、ある程度の大きさや厚みのある病変にも対応できます。病変の大きさや深さ、形状などに応じて、蒸散と切除を使い分けたり、組み合わせたりしながら処置を行います。

レーザーを患部に照射することで、皮膚表面のできものを少しずつ取り除いていきます。
特に、皮膚表面にできた小さないぼや、一部の小さな脂肪腫などに使用できる場合があり、病変の状態に応じて治療方法の選択肢の一つとなります。
ただし、すべてのいぼやできものがCO2レーザーの適応となるわけではありません。病変の大きさや発生部位、深さ、犬や猫の全身状態などを総合的に評価したうえで適応を判断します。
また、体の内部にできた腫瘍や深部まで広がっている病変では、別の治療方法をご提案することもあります。
「できものが気になるけれど、どのような治療が適しているかわからない」という場合は、まずは診察で状態を確認することが大切です。
CO2レーザー切除のメリット|全身麻酔を避けたい飼い主様へ
CO2レーザーによる切除には、犬や猫の身体への負担を抑えやすいというメリットがあります。
大きな特徴の一つは、症例によって局所麻酔のみで対応できることです。全身麻酔が不要となるため、高齢の犬や猫や、麻酔に不安を感じている飼い主様にとって選択肢の一つとなります。
また、CO2レーザーには血管を凝固させる作用があるため、出血を抑えながら処置を行いやすいという特徴があります。処置時間も比較的短時間で済むことが多く、犬や猫への負担軽減につながります。
このように、CO2レーザーは身体への負担に配慮しながら治療を行える選択肢の一つとして、多くの犬や猫に活用されています。
なお、当院では小さいいぼや小さな脂肪腫であれば、局所麻酔代込みで5,000円程度から対応可能です。
ただし、病変の大きさや数、発生している部位、処置内容によって費用は異なります。詳しくは診察時に状態を確認したうえでご案内いたします。
実際の流れ|診察から処置後まで
まずは診察で、いぼやできものの位置や大きさ、硬さ、皮膚の状態などを確認します。
必要に応じて細胞診検査を行い、できものの性状を詳しく評価したうえで、治療方針をご提案します。
診察の結果、CO2レーザーによる切除が適していると判断された場合は、局所麻酔を行い、レーザーを用いて切除を進めます。
なお、病変の状態や病院の混雑状況によっては、診察当日にそのまま処置まで行える場合もあります。
処置後は院内で短時間の経過観察を行い、問題がなければその日のうちにご帰宅いただけるケースがほとんどです。
また、ご自宅では傷口を舐めたり引っかいたりしないよう注意しながら経過を見守っていただきます。必要に応じて、エリザベスカラーの装着やご自宅でのケア方法についてご案内いたします。
処置後に気になる症状やご不安な点がある場合は、いつでもご相談ください。早期に対応することで、より安心して回復を見守ることができます。
CO2レーザー治療が向かないケース|事前に知っておきたい注意点
CO2レーザーは身体への負担を抑えやすい治療法ですが、すべての犬や猫に適応できるわけではありません。
例えば、処置中に激しく動いてしまう場合や、じっとしていることが難しい場合には、安全面を考慮して別の治療方法をご提案することがあります。
また、椎間板ヘルニアなどの骨・神経系の疾患がある場合や、てんかん発作などの持病がある場合には、処置中の体勢やストレスが症状に影響を及ぼす可能性があるため、慎重な判断が必要です。
さらに、CO2レーザーは主に皮膚表面にある病変を対象とした治療です。そのため、体の内部にできた腫瘍や、深部まで広がっている病変には適応できない場合があります。
このように、CO2レーザーが適しているかどうかは、病変の種類や発生している部位、犬や猫の性格、年齢、健康状態などによって異なります。
まずは診察で状態を確認し、「レーザー切除が適しているか」「ほかにより適した治療法がないか」を含めて検討することが大切です。飼い主様のご不安やご希望も伺いながら、その子にとって負担の少ない治療方法をご提案いたします。
まとめ
犬や猫のいぼやできものは、小さいうちは様子を見てしまいがちです。しかし、時間の経過とともに大きくなったり、出血や炎症を繰り返したりすることで、犬や猫の日常生活に影響を及ぼすことがあります。
見た目だけでは良性か悪性かを判断することは難しく、早めに動物病院で状態を確認することが大切です。
また、CO2レーザーによる切除は、症例によって局所麻酔のみで日帰り対応が可能なため、全身麻酔に不安を感じている飼い主様にとって有力な選択肢の一つとなります。
なお、当院には腫瘍Ⅱ種認定医の資格を持つ獣医師が在籍しており、いぼやできものの診断から治療まで幅広く対応しています。また、救急病院で培った経験を活かしながら、腫瘍疾患を含めた総合的な診療を行っています。
「このいぼは様子を見ても大丈夫だろうか」「高齢でも処置を受けられるだろうか」と迷われている場合は、ご自身だけで判断せず、まずはお気軽にご相談ください。
当院では、犬や猫の年齢や健康状態、生活の質まで考慮しながら、それぞれに適した治療方法をご提案いたします。早めの相談が、愛犬や愛猫の負担軽減につながることも少なくありません。気になるできものを見つけた際は、ぜひ一度診察にお越しください。
■関連する記事はこちらから
撫でていたらしこりを発見?|愛犬や愛猫の腫瘍と向き合うために
犬や猫のしこりに気づいたら|腫瘍の種類・症状・診断方法を獣医師が解説
監修:米田 昂史(院長・獣医師)
米田 昂史(院長・獣医師)
<経歴・資格>
北里大学獣医学部獣医学科を卒業後、北海道札幌市や東京都大田区の動物病院、さらに夜間救急動物病院目黒で勤務。心肺蘇生実技講習(RECOVER BLS & ALS Rescuer course)を修了し、救急医療にも精通している。
<著書>
『犬と猫の救急道場』(どうぶつとひと出版)
▶著書の詳細はこちらから
<ひとこと>
言葉を話せない動物たちそれぞれの個性を大切にし、飼い主様と相談しながら最善の治療を提案いたします。「気軽に立ち寄れる動物病院」であり続けるために、どんな小さなことでもお気軽にご相談ください。
当院の公式LINEでは、さまざまな情報を発信しています。
季節ごとのイベント情報や、友達限定のクーポン配信なども行っております。
ぜひこの機会にご登録ください。
当院の公式LINEはこちら
★こちらの情報が参考になった方は、星マークをタップしてご評価ください★
犬、猫、エキゾチックアニマル(ウサギ、フェレット、ハムスター、モルモットなどの四つ足で毛の生えた小型哺乳類)の診察は、『マーズペットクリニック』
神奈川県鎌倉市にある動物病院
TEL:0467-39-3882
