2026.04.23 うさぎの食欲低下は様子見NG?|春に増える不調と受診の目安
「うさぎが昨日まで元気にごはんを食べていたのに、急に食欲が落ちた」「食欲がないけど、このまま様子を見ても大丈夫?」と不安に感じる飼い主様もいらっしゃるかと思います。
うさぎはとても繊細な動物であり、不調を隠す傾向があります。そのため、食欲の変化は体調不良のサインとして表れている可能性があります。
特に春は、寒暖差や換毛などが重なり、体調を崩しやすい季節です。鎌倉市や湘南深沢エリアでも、この時期は「うさぎの食欲がない」「元気がない」といったご相談が増える傾向があります。
そこで今回は、うさぎの食欲低下で考えられる原因や、受診の目安、症状や検査内容などについて、解説します。

■目次
1.うさぎは“食べない=危険”なことがある
2.何時間食べないと危険?受診の目安
3.うさぎの食欲低下で考えられる主な原因
4.春にうさぎが体調を崩しやすい理由
5.こんな症状があればすぐ受診
6.動物病院で行う診察・検査
7.まとめ
うさぎは“食べない=危険”なことがある
まず知っておきたいのは、うさぎにとって「食べない状態」は軽く見てよいものではないという点です。
うさぎは草食動物であり、牧草などの繊維質を絶えず摂取しながら腸を動かし、健康を維持しています。そのため、食欲が落ちると腸の動きが低下し「消化管うっ滞」と呼ばれる状態につながることがあります。
消化管うっ滞は比較的よく見られる病気ですが、進行すると短時間で体調が大きく崩れることもあります。
そのため「少し食べないだけ」と考えて様子を見たり、いつものことと判断したりせず、早めに動物病院に受診することが大切です。
何時間食べないと危険?受診の目安
では、どのくらい食べない状態が続くと注意が必要なのでしょうか。
うさぎは、半日から1日ほど食欲が低下するだけでも体調が変化しやすい動物です。そのため、以下のような様子が見られる場合は、様子見ではなく動物病院を受診しましょう。
・12時間以上、何も食べない
・いつもより食べる量が明らかに少ない
・大好きな食べ物にも反応しない
・食べる姿勢はとるが食べられない
こうした変化は、体の中でなにかしらの不調が進んでいるサインとして表れている可能性があります。
また、「食べない」「元気がない」と感じたときは、早めに相談することで重症化を防げる場合があります。
うさぎの食欲低下で考えられる主な原因
うさぎの食欲が落ちる背景には、以下のような原因が考えられます。見た目の変化が少ない場合でも、体の中では異常が進んでいることがあるため注意が必要です。
◆消化管うっ滞
ストレスや繊維不足、水分摂取量の低下などがきっかけとなり、胃や腸の動きが鈍くなる状態です。食欲低下の原因として特に多く見られます。
◆不正咬合(ふせいこうごう)
歯が伸びすぎたり、かみ合わせが悪くなったりすることで、食べるときに痛みが出てしまい、食欲が落ちることがあります。
◆毛球症(もうきゅうしょう)
毛づくろいで飲み込んだ毛が胃の中でかたまり、食べ物の通過を妨げることで、食欲低下や消化不良につながることがあります。
◆そのほかの原因
泌尿器のトラブルによる痛みや違和感、環境の変化によるストレスなども、食欲に影響を与えることがあります。
これらの原因は単独で起こるだけでなく、いくつかが重なり合って症状として表れることもあります。
春にうさぎが体調を崩しやすい理由
春は、うさぎの体調トラブルが増えやすい季節といわれています。前述した原因に以下のような要因が重なることで、より体に負担がかかりやすくなります。
◆寒暖差
気温差によって自律神経が乱れたり、消化管の動きが低下したりすることで、消化管うっ滞につながることがあります。
◆換毛期
毛づくろいの機会が増えることで毛の摂取量が増え、「毛球症」のリスクが高まります。毛球症は、飲み込んだ毛が胃の中でかたまり、消化管の動きを妨げてしまう状態です。また、換毛による体力の消耗が重なることで、食欲が落ちる場合もあります。
◆環境の変化やストレス
生活環境の変化はストレスとなり、消化管の動きに影響を与えたり、食欲低下を引き起こしたりすることがあります。
このように春は、食欲低下の原因となる要素が重なりやすく、不調として表れやすい時期といえます。
こんな症状があればすぐ受診
食欲低下に加えて、以下のような症状が見られる場合は注意が必要です。また、重症化している可能性もあるため、早めに動物病院を受診してください。
・便が小さい、形がいびつ、量が少ない、または出ていない
・歯ぎしりをしている
・体を丸めてじっとしている(うずくまる)
・元気がなく動かない
前述したように、うさぎは体調不良を隠す動物でもあります。そのため、これらの変化は体に負担がかかっているサインとして表れていることがあるため、日頃から様子をよく観察し、小さな変化にも気づけるようにしておくことが大切です。
動物病院で行う診察・検査
うさぎが食べない原因を調べるために、動物病院では以下のような診察を行います。
・触診:お腹の張りや痛みの有無を確認します。
・視診:口の中や歯の状態を確認し、不正咬合などがないかをチェックします。
・レントゲン検査:消化管内のガスや毛のたまり具合を確認します。
また、状態に応じて、以下のような治療や処置を行います。
・消化管の動きを促す内服薬や注射による治療
・脱水を改善するための皮下点滴や静脈点滴
・強制給餌(シリンジなどを用いた栄養補給)による体力の維持
・不正咬合がある場合の歯の処置(歯のカットや研磨など)
このように、原因や状態に合わせて治療を組み合わせながら、消化管の働きを回復させ、全身状態の改善を目指していきます。
なお、当院では鎌倉市・湘南深沢エリアで長年エキゾチックアニマルの診療を行っております。うさぎの歯のトラブルについては、状況に応じて無麻酔での歯の処置をご提案する場合もあります。
また、うさぎだけでなく、モルモットやチンチラ、デグーなどの小動物の診療にも対応しています。なお、エキゾチックアニマルの診察日は水曜日・土曜日です。受診をご希望の際は、事前にご確認ください。
まとめ
うさぎの食欲低下は、単なる気まぐれではなく、体調不良のサインとして表れている場合があります。特に春は、寒暖差や換毛などの影響が重なり、体調を崩しやすい時期です。
「少し食べないだけ」と様子を見たり、「そのうち戻るだろう」と考えたりせず、早めに原因を確認することが大切です。早期に対応することで、重症化を防げる可能性も高まります。
なお、鎌倉市・湘南深沢エリアで、うさぎが食べない、元気がないといった変化に気づかれた際は、どうぞお気軽に当院へご相談ください。当院では、エキゾチックアニマルの診療にも対応し、飼い主様とうさぎの安心につながるサポートを行っております。
監修:米田 昂史(院長・獣医師)
米田 昂史(院長・獣医師)
<経歴・資格>
北里大学獣医学部獣医学科を卒業後、北海道札幌市や東京都大田区の動物病院、さらに夜間救急動物病院目黒で勤務。心肺蘇生実技講習(RECOVER BLS & ALS Rescuer course)を修了し、救急医療にも精通している。
<著書>
『犬と猫の救急道場』(どうぶつとひと出版)
▶著書の詳細はこちらから
<ひとこと>
言葉を話せない動物たちそれぞれの個性を大切にし、飼い主様と相談しながら最善の治療を提案いたします。「気軽に立ち寄れる動物病院」であり続けるために、どんな小さなことでもお気軽にご相談ください。
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