2026.04.10 犬と猫の健康診断はなぜ必要?|救急現場を経験した獣医師が教えるメリットと当院の検査内容
春の陽気が近づくと、フィラリア予防やワクチン接種の季節がやってきます。この時期、「ついでに健康診断も受けようかな?」と検討される飼い主様もいらっしゃいます。
一方で「うちの犬や猫は元気に走ったり食べたりしているから、まだ必要ないのでは」と感じる方もいらっしゃるかと思います。食欲があり、よく動き、いつも通りの様子であれば、病気を心配する機会は少ないかもしれません。
しかし、大切なのは具合が悪くなってから慌てて受診することではなく、何も症状が表れていない“健康な今”の状態を把握しておくことです。救急現場を経験してきた獣医師としてお伝えしたいのは、日常の小さな変化にいち早く気づくことの大切さです。わずかな違和感の段階で気づければ、重症化を防げる可能性が高まります。健康診断は、そのための第一歩です。
今回は、救急の最前線を見てきたからこそお伝えしたい健康診断の真の価値と、当院の健康診断の特徴と検査内容などについてご紹介します。

■目次
1.救急の現場で見てきた現実|健診で防げたケース、手遅れになったケース
2.言葉を話せない犬や猫だからこそ|“数値”で体の状態を知る重要性
3.マーズペットクリニックが考える健康診断の位置づけ
4.マーズペットクリニックの健康診断の特徴と検査内容
5.【春の健康診断】まずはお気軽にご相談ください
6.まとめ
救急の現場で見てきた現実|健診で防げたケース、手遅れになったケース
救急の現場では、症状が急激に悪化してから来院されるケースが多く、なかには「数か月前に検査をしていれば、もっと早く治療を始められたかもしれない」と感じる場面もありました。
一方で、日々の診療のなかで、定期的に健康診断を受けていたことにより血液検査のわずかな変化に気づき、早期治療につなげられたケースもあります。症状が出る前の段階で対応できたことで、入院や救急処置を回避できた例も実際に経験してきました。
また、聴診によって心臓の異常に気づき、精密検査で心臓病が見つかったケースもあります。なかには、発見が遅れて肺水腫まで進行し、呼吸が苦しい状態で来院されることもあります。肺水腫は急速に悪化することがあり、適切な処置が遅れると命に関わることもあるため、早い段階で異常に気づくことが非常に重要です。
救急現場で命を救えなかったときの悔しさがあるからこそ、早期発見・早期治療の重要性を身に染みて理解しています。当院に来院いただく飼い主様や犬や猫には、突然の悲しみや別れにならないよう、予防を十分心がけていただきたいと考えています。
言葉を話せない犬や猫だからこそ|“数値”で体の状態を知る重要性
よく「うちの子はまだまだ元気そうだから、検査なんて必要ない」というご意見をいただきますが、実はそうとは限りません。犬や猫は本能的に不調を隠すため、見た目や元気さだけでは病気の有無や進行度合いを判断できません。実際に症状として現れたときには、病気がかなり進行していることもあるのです。
たとえば、犬の僧帽弁閉鎖不全症や猫の慢性腎臓病のように、年齢を重ねるにつれて徐々に進行していく病気もあります。健康診断で初期の変化に気づくことができれば、治療やケアの方針が立てやすくなり、将来の安心にもつながります。
さらに、元気な時にこそ健康診断を行い、その子自身の健康な状態を把握しておくことも大切です。愛犬や愛猫の“基準”を把握しておくことで、わずかな変化にも早い段階で気づくことができ、将来の安心や早期の治療にもつながります。
このように「病気が進行する前」や「元気な時」の体の状態を正確に知るために、当院では、視診や触診といった五感を使った検査だけでなく、血液検査も重要視しています。血液検査は体の中の変化を数値として把握できるため、見た目では分かりにくい異常も客観的に評価することが可能です。
マーズペットクリニックが考える健康診断の位置づけ
健康診断は、ただ単に「検査をする場」ではなく「これからの暮らし方を一緒に考えるきっかけづくりの場」だと考えています。
当院では、予防から治療に至るまで全科目に対応し、日常のケアも含めて総合的に診る姿勢を大切にしています。健康診断で異常が見つかり、専門的な治療が必要と判断した場合には、二次診療施設とも連携し、必要に応じて高度な獣医療をご提案できる体制も整えています。
また、健康診断の結果をもとに、食事内容を見直したり、体重管理を意識したり、将来起こりやすい病気について理解を深めたりすることができます。検査を受けて終わりではなく、その後の暮らしに活かしていくことが重要です。
マーズペットクリニックの健康診断の特徴と検査内容
健康診断の中にはさまざまな検査がありますが、当院の春の健康診断では、まず血液検査をお勧めしています。それはフィラリア予防とも関係があります。
特に犬の場合、フィラリア予防を始める前には、感染の有無を調べるために必ず血液検査をしなければいけません。そのときに採取した血液を血液検査にも流用すれば、何度も体に針を刺すことなく、健康状態をチェックすることができるのです。これは、愛犬にかかる負担を最小限に抑えることにもつながります。
血液検査で気になる数値がみられたら、必要に応じて超音波検査(エコー検査)や尿検査やX線検査を追加します。超音波検査では、肝臓や腎臓などの内臓の形や大きさ、内部の様子をリアルタイムで確認できます。
それぞれの結果を総合的に評価することで、より具体的な状況を把握し、飼い主様にも分かりやすくご説明しています。
【春の健康診断】まずはお気軽にご相談ください
当院は予約不要で、診療時間内であればいつでもご来院いただけます。ただし、健康診断は事前の絶食などの準備が必要になる場合があります。そのため、健康診断をご希望の際は、あらかじめお電話でご相談いただくことをおすすめしています。
「健康診断を受けるべきか迷っている」「どのような検査を行うのか詳しく知りたい」といったご相談にも対応しております。不安な点や気になる点がありましたら、どうぞ遠慮なくお問い合わせください。
鎌倉市や藤沢市を中心に、地域の飼い主様にとって身近で相談しやすい存在でありたいと考えています。
📞お電話でのご相談はこちらから: 0467-39-3882
<当院の診療体制>
・診療時間:9:00~12:00|16:00~19:00(診療受付は30分前まで)
・エキゾチックアニマル診察:水曜日、土曜日
・休診日:火曜日
まとめ
健康診断は、病気を探すためだけのものではありません。「今、この子はこれだけ健康なんだ」
と現在の状態を知り、これから起こり得る変化に備えるための大切な習慣です。
心臓病や腎臓病をはじめ、多くの疾患は早期に見つかれば治療やケアの選択肢は広がり、将来的な不安を解消することにもつながります。
救急現場を経験してきた獣医師だからこそ、愛犬や愛猫の日常を守る医療の価値を強く感じています。春のフィラリア予防のタイミングにあわせて、ぜひ健康診断をご検討ください。
当院では、飼い主様とともに愛犬や愛猫の一生に寄り添いながら、予防から治療まで総合的にサポートしてまいります。
監修:米田 昂史(院長・獣医師)
米田 昂史(院長・獣医師)
<経歴・資格>
北里大学獣医学部獣医学科を卒業後、北海道札幌市や東京都大田区の動物病院、さらに夜間救急動物病院目黒で勤務。心肺蘇生実技講習(RECOVER BLS & ALS Rescuer course)を修了し、救急医療にも精通している。
<著書>
『犬と猫の救急道場』(どうぶつとひと出版)
▶著書の詳細はこちらから
<ひとこと>
言葉を話せない動物たちそれぞれの個性を大切にし、飼い主様と相談しながら最善の治療を提案いたします。「気軽に立ち寄れる動物病院」であり続けるために、どんな小さなことでもお気軽にご相談ください。
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